2020.06.18
【manager colum】《Masters(マスターズ)》
発売から10年。カルテルのマスターピースへ
酒井です。
お持ちの方も多いのではないでしょうか。デザイナー家具、名作椅子というものは数多くあれど、ここまで欲張った椅子はないですね。フィリップ・スタルクが2010年に発表した「マスターズ」
Philippe Starck|フィリップ・スタルク
スタルクはパリのカモンド美術学校卒業後、ピエールカルダンのアートディレクターを務め、インテリアと家具のデザインを担当。独立後多くのインテリアデザインを手がけ、その活躍ぶりが当時のフランスの大統領、ミッテラン氏の目に留まり、1982年エリゼ宮殿のスイートルームのデコレーションを任されます。
これを機にスタルクは世界中から脚光を浴びます。出世作でもあるパリの「カフェ・コスト」をはじめ、ニューヨークの「ロイヤルトンホテル」、香港の「ペニンシュラホテル」。
オランダの「グローニンゲン美術館」など数々のインテリアデザインを行ないました。同時にフランスをはじめ、スイス、イタリア、スペイン、日本など、世界中で家具などの、プロダクトデザインも行うと同時に、工業デザインもてがけます。
これがよく見かける(笑)スタルクの説明ですが、日本で一番有名なのはアサヒビールスーパードライホールのオブジェでしょうか。セブンイレブンの文房具のデザインもされてましたね。
最新作A.I.も大人気です。
新しい製品も積極的に発表される中、スツールタイプやメタリックカラーなどアイテムが追加されるのはその人気の証。
3つのアウトラインを重ねた「マスターズ」
「マスターズ」を語る際に良く使われるのが、「3つの椅子のフォルムを重ねたチェア」という表現。
セブンチェア(アルネ・ヤコブセン)
チューリップチェア(エーロ・サーリネン)
シェルチェア(チャールズ&レイ・イームズ)
それぞれ名作チェアですね。私もいくつか所有しています。その座り心地はどれも素敵。それらが集まってできたチェア、座り心地が悪いわけがあません。
あまり知られていませんが、カルテルとスタルクの遊び心でこのフォルム構成がチェアのどこかに刻まれています。ぜひ探してみてください。
フォルムも素敵!でも一番の人気の理由は、、、
形ばかりに目が行きがちですが、発売から10年経った今でも人気のその理由はもちろん座りやすさ、座り心地です。
海外の椅子を購入する際に、ネックとなるのが脚の長さです。今の若い世代はスタイルがいいので問題ないのでしょうが、私世代はしっかり床に足がついていないと不安という方が多いのも事実。
ポイントは3つあります。
①食事の際の座り方・・・背中はまっすぐに、姿勢は前気味に
②くつろぐ際の座り方・・・体重を椅子に預け、リラックスして
③その人なりの座り方・・・足を組んだり、お酒を飲んだり
「マスターズ」の座面にはしっかりと工夫がなされています。座ってみるとわかりますが、しっかりお尻を支えてくれる座面形状になっています。だから、樹脂でも固くない、痛くない。
この座面形状、①の時とっても機能しているんです。背もたれによしかからず、前側に座り、お尻をしっかり支えてもらうと、足は床にしっかり着き無理のない姿勢で食事ができます。食事中に背もたれにどっしりという方はあまりいないですね。だから脚が長くても、食事中は問題なく使用できます。
次に②、背もたれに体を任せると、セブンチェアの羽の部分がしっかりと体を支え、ゆったり。足は浮く人もいるかもしれません。でも背もたれで支えてくれているから、足がプラプラしてても平気。
最後に③、足を組むと体が斜めになりますね。困るのが肘の置き場所。マスターズならチューリップチェアのアウトラインがしっかり肘をホールド。お酒を飲んで、気持ちよくなったら人間はお尻が自然と前に出てきます。そんな時もこの部分がしっかり体を支えてくれます。
カルテル マスターピースの魅力
豊富なカラーバリエーション・・全部で10色の豊富なカラバリはきっとどんなシーンでもフィットします。木製のテーブルにもとても似合いますよ。
4脚までスタッキング可能・・普段は4脚で使用して、来客時にはお部屋の隅にスタッキングしていたチェアを出す。スツールもいいですが、やっぱりしっかり座りたいですね。スタッキングできるので、収納もコンパクト。夏はテラスで、冬は収納なんて使い方も可能です。
アウトドアでのおすすめは先日の記事→【キャンプ利用もOK】アウトドアのインテリアにカルテル<チェア編>
以前スタッフ佐々木が書いたマスターズの記事はこちら→【スタッフが徹底紹介】MASTERS マスターズ このチェア、背もたれに秘密がある
ネットで購入も気楽でいいですが、特に体重のかかるチェアなどはぜひ一度お試しください。
まだまだ伝えきれない、たくさんあります「カルテル」の魅力。次回は何にしましょうか。